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2011年04月15日
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現場が組織を動かす!
現場力としてのプロジェクトマネジメント


プロジェクトマネジメントオフィス 好川哲人


第15回 戦略力(2008.06.05)

◆日本のプロマネと米国のプロマネの根本的な違い

米国でプロジェクトマネジメントにはヒューマンスキル(ソフトマネジメントスキル)が必要であるという認識が高まってきたのが2000年くらいで、このあたりから、PMIのカンファレンスでソフトマネジメントスキルに関する発表が増えてきている。

日本でもこの2〜3年認識が強まってきている。日本プロジェクトマネジメント協会のPMシンポジウムを見ていても、ここ2年くらいは何のシンポジウムかと思うくらい、ソフトマネジメントスキルの発表が増えている。

しかし、日本でソフトマネジメントスキルが必要だというのと、米国でソフトマネジメントスキルが必要であるというのは根本的に異なるのではないかと思う。米国でソフトマネジメントスキルが必要な理由は明確だ。基本的にプロジェクトマネジャーはプロジェクトに与えられた権限でプロジェクトを動かす。


◆権限とはマネジメントを前提にするもの

日本はこの点が非常に不透明である。あえて不透明と書いたのは理由がある。よく日本組織ではプロジェクトマネジャーに責任は課すが、権限を与えないと言われる。この話が怪しいと思っているからだ。

プロジェクトマネジャーが与えられていないとよく言う権限は、組織マネジメントとしての権限である。組織マネジメントは権限を行使することによって組織を統制していく。その典型がいわゆる人事権である。しかし、プロジェクトマネジメントは基本的にはそのようなマネジメントではない。そして権限とはマネジメントを前提とするものである。

ここを勘違いしている人が多い。


◆権限は与えられている

プロジェクトマネジメントの基本的な考えを前提にした場合、多くの日本企業でもプロジェクトマネジャーの権限は与えられている。まず、(承認された)計画に従ってメンバーに指示する権限が与えられている。確かに、きちんと計画されている要員を平気で別のプロジェクトに回すような上位管理者もいなくはないが、少数派だろう。

次に、プロジェクトに配置されたメンバーにプロジェクトの仕事を自由に割り当てる権限を持っている。メンバーの業務アサインに介入してくる上位管理者もいるが、提案のレベルであり、ごり押しをする上位管理者は珍しい。

さらには、与えられた予算を自由に使う権限を持っている。確かに、上位組織の経営状況で一律にカットされたり、まれに予算を別の仕事につまむ不届きな管理者はいるが、いすれも例外的だ。

このような例外に目を奪われるよりは、むしろ、これらは相当強力な権限であることに着目をした方が賢明だ。


◆権限を行使できないプロジェクトマネジャー

さて、では、プロジェクトマネジャーはこれらの権限を行使できているのか?これが怪しい。たとえば、人を動かすことについても、プロジェクトリーダーやメンバーがなかなか、言うことをきいてくれないので、人事権が必要だと思っている人は少なくない。それどころか、計画上の「指示」を明確にもせずに、人事権がないからどうせ、言っても無駄であるという投げやりな態度のプロジェクトマネジャーすら見かけることがある。

少なくとも、それで人を動かすことを念頭において計画を作っているプロジェクトマネジャーはそんなに多くはないだろう。

予算についていえば、プロジェクトの目的達成のために予算を使うという発想を持つプロジェクトマネジャーは多くない。制約だと考えるだけだ。


◆戦略的な発想がないので、権限を使えない。

一言でいえば、戦略的な発想がないのだ。与えられた権限がある。プロジェクトマネジャーに求められるのは、与えられた権限をどのように使っていくかである。つまり、戦略能力である。ところが実際には、上に述べたように幻想的なプロジェクトマネジメント戦略があって、その戦略を実行できるだけの権限が与えられていないといっているのだ。

本末転倒も甚だしい。まず、与えられた権限があって、その権限を使って、制約をクリアしながら目的を達成する戦略的計画を作れないことには話にならない。

さらには、この戦略的計画という基本を追及する前に、ソフトマネジメントだの、自律的なチームだと言ってみても実は始まらない。ソフトマネジメントとか、自律性といったものは、戦略的計画の中で位置づけられるものである。



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著者紹介
好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「プロジェクトマネジャー養成マガジン」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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